中国、商標申請数1400万件で12年連続で世界一
2014年9月2日、中国メディアの国際在線が伝えるところによると、2014年6月末時点において中国での商標申請数が累計1,425万 7,000件に達したという。
(参照:中国ではどのような商標が登録できますか?)
この情報は中国国家工商行政管理総局の張芽局長の発表によるものだ。商標申請数としては12年連続で世界一を記録している。
中国国内での商標登録数は累計で907万5,000件である。そのなかで761万1,000件が有効な商標で、張局長は中国を名実ともに商標大国だとしている。
ただし、自主ブランドを保有して海外との取引を行なっている中国企業はそのうち20%に過ぎないようだ。自主ブランドでの輸出額も、輸出全体の11%でしかないという。 ブランドの競争力という点では主要先進国に比べていささか劣っているようだ。
中国の商標申請数は2007年時点で560万件だったことからすると、わずか7年で3倍にまで膨れ上がっている。その中には海外企業の製品や海外の生産地、ブランドなども含まれており、海外企業の中国進出に大きな壁となっている。
中国政府自らが認めているように、中国は「商標大国」ではありますが、登録商標のうち、実際に機能している商標の数は依然として少なく、また、世界的に有名で影響力のあるブランドも少数です。
このような状況の下、商標の申請件数や登録件数のみが急増することは問題です。その増加の中には、外国企業が外国で使用している商標を、全く無関係の者が中国において先駆けて登録し、その外国企業が中国に進出する際の大きな障害となるものが、相当数含まれると考えられるからです。
また、ブランドが育っていない状態で、商標出願や登録の件数のみが増大するという傾向は、中国の商標制度には何か構造的な問題があるのではないかと疑わせます。
ただし、中国政府の見解では、今後は、商標の価値を高めることを企業に指導し、また、知的財産権の侵害行為やコピー・劣悪品の取締りに力を注ぎ、商標強国を目指すとのことです。
中国では、外国企業の進出を妨げるような商標登録が多数存在し、問題となっていますが、今後このような事態が、少しでも改善されてることを望みます。
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