コーセー、中国での商標保護に新展開
2016年1月18日、化粧品大手メーカーである株式会社コーセーが中国での商標登録に新たな展開をみせた。登録を認可された文字は「KOSE」および「高絲」となっている。
(参照:沖縄豚「アグー」・ロゴ「まーさん」、中国と香港で商標登録)
この度の認可は馳名(ちめい)商標としての登録であるため、第三者の不正使用や無断使用から保護されることとなる。第三者である中国企業による「KOSE」および「高絲」の複製や模倣としての商標登録が発覚し、異議申し立てが行なわれた。その結果、馳名(ちめい)商標としての認可を受けることとなった。
馳名(ちめい)商標とは、中国において知名度が高く、公によく知られた商標として、国家工商行政管理総局商標局が認定するものである。国内幅広い地域で知名度が高い商標として、普通の商標以上の保護を受けられる。
同社は1960年代から台湾を中心としたアジア地域でブランド展開を始め、1987年には中国への進出・展開を開始した。それ以来、「KOSE」および「高絲」を企業ブランドとして使用してきた。「高絲」は「コーセー」の繁体字表記である。
日本企業であるコーセー社の「KOSE」およびその繁体字表記「高絲」の商標が、中国で馳名(ちめい)商標として認定された背景には、コーセー社が、長期間にわたる中国での事業活動や社会貢献活動により、中国の消費者の信頼を獲得し、その広い認知を獲得していたことがあげられます。
中国で馳名商標として認定されるためには、中国の一部の地域で認知されているだけでは不十分で、中国全土でそのブランドが消費者の間に広く知れ渡っている必要があります。外国企業であるコーセー社がその水準に達するためには、膨大な努力が費やされたはずです。
そして、それ故に、長年の努力の成果であるブランド力を、中国企業の模倣ブランドの使用で破壊されることは、コーセー社にとって、非常に大きなダメージとなることは間違いありません。
したがって、今回の中国国家工商行政管理総局商標局がコーセー社のブランドを馳名商標と認定し、中国におけるコーセーブランドに今後幅広い保護が与えられることは、今後のコーセー社の中国での活動にとってには大きな利益にることが期待されます。
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