中国商標法が大改正、海外企業も対応を迫られる
2014年5月1日から改正された中国商標法が施行されることとなった。これは、2013年8月30日に中国第12回全国人民代表大会常務委員会で決定されたものである。
(参照:中国ではどのような商標が登録できますか?)
改正されたのは以下の項目である。
- 音声商標が登録できるようになった
- 1商標で多区分出願が可能になった
- 電子データで出願できる電子出願が可能となった
- 商標局の審査期間が9ヶ月と定められた
- 代理機構の悪意による出願ができないようになった
- 業務提携にある者の無断登録を防止する措置がとられた
- 商標の更新手続きが12ヶ月前から可能となった
- 商標の譲渡や異議申し立てに制限が設けられた
その他24の項目で商標法が改正された。10年という長期に及んで準備され、54箇所もの改正があるために「大改正」とみられて いる。中国での商業活動を行なう企業は注意する必要がある。
音声商標の登録は米国や欧州では以前から可能であり、日本でも2014年4月25日に成立した改正商標により可能になりました。
今回の改正で中国で音声商標の登録ができるようになったことは、商標登録の対象をより広げようとする国際的な流れに沿ったものと考えられます。
同じように、多区分出願が可能になったこと、電子データでの出願が可能になったことも、国際化に対応する意図が読み取れます。
審査期間が法律で9ヶ月と定められたことにより、最近の中国の商標審査期間が出願件数の増大により長期化する傾向の中、審査期間の短縮が望めるようになりました。
また、代理機構の悪意の出願の禁止、業務提携にあるものの無断登録の防止は、他人の商標権を侵害するような商標の登録を未然に防止する措置を定めるもので、法律が制定されたからといって直ちに中国での模倣商標の問題が鎮静するかどうかはわかりませんが、当局がこの問題に取り組む意思を表示したものと考えることができます。
その他の改正につきましては、本来規制がなかった分野に国際的にみて標準的な規制を設けたものなどです。
基本的には殆どが良い改正と感じます。しかし、代理人の立場から言いますと、中国に初めて出願する企業の場合、登記簿謄本の翻訳文を提出する必要があるため、余分に費用、及び、手間がかかるようになったのがちょっと面倒です。
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