中国人実業家、米テスラを商標権侵害で提訴
2014年7月3日、中国人実業家が米テスラ・モーターズを商標権侵害で北京の裁判所に訴えを提出した。訴えたのは中国人実業家の占宝生氏である。
(参照:英文字で出願した場合、よく似た読み方をする中国語の先願商標の存在によって拒絶されますか?)
占宝生氏は、「TESLA」の商標権は自分が持っているとし、米テスラ・モーターズを商標権侵害で提訴すると共に中国国内のショールー ム・サービスセンター・充電施設の閉鎖、また販売活動・マーケティング活動の中止、および2390万元の損害賠償を求めている。
これまで、占宝生氏は2006年9月に国家工商行政管理総局(SAIC)にテスラの英語名を商標登録しているものの、2013年7月にSAICの商標評審委員会は占宝生氏の商標権が無効であるとの判断を示している。
米テスラ・モーターズは、2003年創業のEVベンチャー企業で中国へ展開・進出している。2014年1月には、米テスラ・モーターズがこの実業家との交渉がまとまったと発表していた。北京の裁判所は、8月5日に審理を開くとウェブサイトで公表している。
中国人実業家である占宝生氏が中国で「テスラ」の商標の出願を行ったのは、テスラ社が米国で創業した2003年の3年後である2006年です。(米テスラ社は、その時期はまだ、中国においても世界的にもそれほど有名ではありませんでした。)
現在、占宝生氏はこの「テスラ」の名称で中国でウェブサイトを運営しています。(商標が実際に使用されている事実が証明できます。)
さらに、本人が19世紀のセルビア系アメリカ人の発明家ニコラ・テスラを崇拝しており、それから名前を取ったと主張しています。(発明家のニコラ・テスラは世界的に有名な人物なので十分に説得力があります。)
これらの事実から考えますと、占宝生氏が米テスラ社に対してロゴと名称を人質にとるために、わざと商標登録して損害賠償金をふっかけているとは考えにくいです。
また、仮にそうだったとしても、占宝生氏がそのことを認めるはずはありませんから、米テスラ社側でそれを立証することは困難です。
従って、米テスラ社に不利な判断がなされる可能性が高いと考えられます。
※この記事が参考になったと思ったら共有してください。