中国商標、中国企業による「紀州伊始」「紀州」の商標が無効
2016年8月22日、和歌山県は中国国内で商標申請されていた「紀州伊始」「紀州」の文字を含むブランドの商標登録が無効となったと発表した。同県は引き続き「和歌山」「紀州」についての商標の監視を継続するとともに、類似申請を発見した場合は異議申し立ても含めた対応を検討している。
(参照:中国国内での「紀州」ブランド登録申請、異議申し立てが認定)
これは中国国内で紀州の文字を使用した商標が申請された問題で、和歌山県が申立人となって中華人民共和国国家工商行政管理総局商標局に対して異議申立がなされていた。
一件は、中国企業「瀋陽甜蜜蜜食品有限公司」がアルコール飲料(ビール以外)の商標として「紀州伊始」を商標申請していたものである。もう一件は、中国企業「日本名人株式会社(香港)有限公司」が玩具・遊戯用具及び運動用具(へら竿)の商標として「紀州伊始」を商標申請していたものである。
商標局はそれらの地名が中国の公衆に周知されている外国の地名であること、容易に出所誤認といった結果を招きかねないことなどを理由に和歌山県側の異議申し立てを認めた。出願人からの不服申し立てはなく、無効が確定している。
和歌山県では無断で同県地名が商標申請されるケースを相次いで発見したことから監視事業を開始し、異議申し立てが認められたケースが今回を含めて5例目となっている。
今回問題となってお酒や玩具の商標ついて、地名が用いられていれば、消費者は、そのお酒や玩具が、商標で使用した地名がその産地であると考える可能性が高いでしょう。
そうすると、本当に、それらの商品の商標に用いれらている地名が、その産地でなければ、消費者を誤魔化していることになります。
今回、中国人民共和国国家工商行政管理総局商標局が、日本の和歌山県の異議申し立てを認め、中国企業の「紀州伊始」「紀州」の商標登録を認めなかったことは、そういった消費者を誤魔化す行為を未然に防ぐことになり、日本の生産者と、中国の消費者の双方の利益を保護するという非常に好ましい結果となったといえます。
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