米SNSフェイスブック社、中国で商標訴訟に勝訴

2016年5月9日、米メディアの報道によると米大手ソーシャル・ネットワーキング・サービスのフェイスブック社が中国における商標侵害訴訟で勝訴した。中国における商標侵害で悩む外国企業にとって朗報と言えそうだ。
(参照:コーセー、中国での商標保護に新展開

この裁判は、米SNSフェイスブック社が北京市高級人民法院に訴えていたものだ。2011年に中国の食品業者である珠江飲料廠が「臉書(face book)」を商標登録した。

これに対して米フェイスブックが中国商標評審委員会に抗議したが、同委員会はこれを承認した。そのため米フェイスブックは提訴し、一審では勝訴したものの珠江飲料廠側が控訴していた。

判決では、米フェイスブック側の商標「facebook」に対して珠江飲料廠側の「臉書(face book)」は、既存の商標の中に空白文字を入れただけで明らかにコピーであり、倫理的な違反行為であるとともに公正な市場競争を阻害するとされた。

先月、米Apple社が「IPHONE」ブランドを使用している中国ハンドバッグ業者を商標侵害で告訴したものの敗訴した例と比較されるとともに、フェイスブック社CEOザッカーバーグの中国接近ともとれる動向が注目されている。

中国では、最近、米国アップル社が、中国の革製品メーカー新通天地の「iphone」ブランドの使用に対して裁判を起こし、その結果、北京の高級人民法院(日本の高等裁判所に相当)は、アップル社の商標権侵害の訴えを退ける判決を下しました。

その際、新通天地が「iphone」の商標登録を行った2007年、中国で「iphone」の販売が開始されたのが2009年と、新通天地が「iphone」の商標登録を行った時点で、米国アップル社の「iphone」は、中国国民にとってなじみがあり広く知られていたブランドではなかった、との判断がなされました。

今回の米SNSフェイスブック社の訴訟では、現在も中国では米SNSフェイスブック社の提供する「facebook」の利用は禁止されております。

中国の食品メーカー珠江飲料廠が「face book」の商標登録を行った2011年時点で、世界的に有名な「facebook」が中国国内でなじみがないものだったという主張は通らず、原告である米SNSフェイスブック社の主張がとおり、珠江飲料廠の「face book」の使用が、米SNSフェイスブック社の商標権侵害にあたるとの判断がなされました。

米SNSフェイスブック社の「facebook」の中国企業の無断使用は、明白な違法行為のように思われますが、それでも、中国商標評審委員会及び第一審の判断では、米SNSフェイスブック社の主張は退けられており、第二審の判断で、ようやく、その主張が認められました。このあたりに、中国における商標権の運用の困難さが表れていると考えられます。

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