コーセー「雪肌精」、台湾で立体商標として登録
2016年5月16日、大手化粧品メーカーのコーセーの化粧品容器デザインが台湾において商標登録された。アジアにおける日本の化粧品ブランドが浸透してきた成果として高く評価されている。
(参照:コーセー、中国での商標保護に新展開)
今回登録されたのは、コーセー「雪肌精」の容器ボトルだ。同商品のボトルは、六角柱の瑠璃色をした形が雪の結晶をイメージさせるデザインのボトルとなっている。
特に注目されているのが、「立体商標」として登録が認可されたことである。文字をのぞいた形状や色彩といった容器のカタチそのものにブランドとしての識別力があるとみなされた。
台湾最高行政法院が、文字をのぞいた容器の形状や色彩だけで「雪肌精」と認識するほどの認知度の高さがあることを認めた形だ。
1985年にリリースされた雪肌精は、翌1986年からは台湾でも販売を開始した。アジア各国での30年以上にわたる長年の実績によりブランド価値を高めてきた結果が今回の高評価につながったといえる。さらに、台湾からの旅行者にとって雪肌精が日本のお土産の定番として定着していることも示している。
斬新的な化粧品の容器ボトルのデザインが、海外で意匠登録がなされたというのであれば、それほどめずらしいお話ではありません。しかし、今回のコーセー「雪肌精」の容器ボトルのお話は、意匠登録ではなく、立体商標登録がなされました。ここに、非常に大きな特徴があります。
容器ボトルの形状が商標として登録されるためには、その容器ボトルの形状を通じて、消費者がその商標が付された商品を他の商品と区別し、かつ、その商品の製造メーカーを認識できなくてはなりません。あるデザインから、消費者に美感を起こさせることはそう難しくはありません。
しかし、そのデザインを見て、消費者が他の商品とその商品を区別したり、その商品の製造メーカを認識することは、そのデザインが相当に消費者の間に浸透してないとできるものではありません。
しかも、消費者に浸透したと認められたのは、日本ではなく台湾です。こういった事情から、今回のコーセー「雪肌精」の台湾で立体商標登録は極めて稀な商標登録だということができます。
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