「有田焼」、中国で商標登録され販売展開

2014年8月12日、佐賀県陶磁器工業協同組合は「有田焼」の商標が中国でも登録されたと発表し、使用不可問題が解消したことが明らかになった。
(参照:中国に商標登録する際の注意点を教えて下さい。

有田焼は言わずと知れた九州の有名窯元製の磁器であるが、2010年に中国ですでに同名が商標登録されていたことが発覚し、中国国内においては「有田焼」の商標が使用できなくなっていた。

この問題は中国国内に在住する一個人が「有田焼」の名称で中国における商標登録を2004年に取得したことから始まる。その後2010年の上海万博の関連イベントで佐賀県が特産品として磁器「有田焼」を宣伝しようとした際にそのことが発覚。

創業400年を誇る有名窯元がブランド名を使用できない事態となった。しかし、中国では登録商標が3年間使用されない場合には取り消しを申請することができるため、2012年4月に有田町が取り消しの申請をすると共に佐賀県陶磁器工業協同組合が商標登録の申請をしていた。
2013年には商標取り消しが認められ、2014年3月から4月に商標登録も認められたという。登録されたのは「有田焼」の一般名称と昨年亡くなった14代酒井田柿右衛門氏揮毫の「有田焼」のロゴ、および有田焼の代わりに使っていた「有田瓷器(じき)」のロゴである。

中国でこのような問題に遭遇した場合、三つの方法があります。

第一に、当該商標が著名商標であることを主張して、冒認商標(第三者により勝手に登録された抜け駆け的商標)の取消しを求めること。

第二に、先に使用している一定の影響力を有する商標を不正な手段により登録したとして異議を述べる方法。

第三が、3年以上使用していない商標の不使用取消請求を利用する方法です。

今回の佐賀県陶磁器工業協同組合の件では、第三の方法を利用したことになります。不使用取消請求の場合には、3年間の不使用が証明できれば取り消しができますから、この方法を利用できたことは運が良かったと考えられます。

もし、相手方が、裁判上の取消請求等を避けるためのみの理由で、故意にほんの少し使用して、現実の使用を主張していれば、この取消請求は難しくなり、別の方法を取らざるを得なくなる場合もあります。

第一、第二の方法は、要件が厳しかったり、相手方の抗弁があると長期化しますから、厄介です。ですから、今回は、相手方がおとなしかった分、比較的簡単に解決したといえます。

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